よく両親から電話がかかってきます。
父は、母が認知症で、話が通じなくて困ると。
母は、父と会話にならないから困ると。
父には、「お母さんは、認知症だから、しょうがないよね。」と言い、
母には、「お父さんは、耳が遠いから、しょうがないよね。」と、繰り返し言っている、池尾千里です、はい、こんにちは。
解決してないけど、気が済むみたいで、「そうだよねー」って二人とも言ってます。笑
「開き直る」心理について、書いてきました。
「開き直る」心理 ~浮気男と手放し~>>>
「開き直る」心理 ~相手が開き直った時の対処法~>>>
今回は、悪い態度の方の「開き直る」ではなく、ポジティブなラインで、「開き直る」ことで起こる、良いことについて書いてみたいと思っています。
こんなふうに、開き直ったら、いいかもって思っていただけることがあるように思ったので、是非、おつきあいいただけたらと思います。
「開き直る」前に起こっていること
なんにもないところに、突然「開き直る」ってことが起きたりはしません。「開き直る」境地に至るまでには、どうやらプロセスがあるようなんです。では、どんなことが起きているのか見ていきましょう。
例えば、こんなことが起きているようなんです。しかも、結構なエネルギー量で。
すごく圧がかかっている。
非常に一生懸命になっている。
大きなストレスがかかっている。
ひどく苦しい思いをしている。
いろんな意味で、限界を迎えていたり、底を打つような感じだったりすることもあります。
これは、ポジティブなラインにせよ、浮気男の開き直りのようなネガティブなラインにせよ、開き直る前には、とても大変な時期があるということのようなんです。
限界を迎えた先、底を打った先に、どうやら「開き直る」という境地があるようなのです。
これまでの自分のやり方を手放す
もうこれまでのやり方が使えないな、もうできないな、といった良い意味での「諦め」があり、自分のやってきたやり方、慣れ親しんだ方法を手放し、白旗を振るしかない状況になってしまうと、あとは、やることがないわけです。お手上げです。
そうなると、ただ、今のありのままを受け入れ、なるようにしか、ならないといった、流れに委ねるしかなくなるわけですよね。
自分では来られなかったかもしれない場所に、こうして押し出されるといった感じでしょうか。
ありのままを受け入れるというのは、簡単そうに見えて、実はなかなかにむずかしいものです。なぜなら私たちは、ありのままでは、いけないような気がしたり、そのせいで、自力で何かをしたくなる生きものだからです。
例えば、仕事のジャンルで考えてみましょう。
毎日あなたは、忙しく仕事をがんばっています。長くがんばってきたおかげで、チームリーダーにもなりました。担当していたプロジェクトも、やり遂げ、それなりの成果を出してきました。
一方で、チーム内では、業務上のトラブル、人間関係のトラブルがあったり、心が疲れてしまって、休職する職員が出たりしていました。
こういった状況だと、ありのままを受け入れて、OKを自分に出すことが、むずかしいことはご想像ができるかと思います。自分は至らない、十分でないと感じてしまうからです。
でも、あなたはきっと、できうる限りのことをしてきていたと思います。どこにも手を抜いたり、サボったりしていないことは、ご自身が一番ご存知だと思います。
「ああ、これ以上は無理だったよな」
って、限界に辿り着き、これ以上やることを諦めると、「ベストを尽くした自分」を承認し、受け入れられるようになるんです。心がしなやかになり、しなる強さを手に入れていくのです。
「開き直る」とうまくいく理由
人生に「開き直る」というものを取り入れたら、どうなるんだろう。
時にそれは、気持ちを変え、見え方を変え、私たちが進む助けになるように思います。「開き直る」を取り入れたら楽になれる理由を、あれこれと書いてみました。
感情にふりまわされない自分になれる
「もういいや」って開き直った時、肩の力が抜けたような、大きなプレッシャーから、自由になったような気持ちがすることは、きっと楽だなと感じられると思います。
そして「もう煮るなり焼くなり、どうにでもしてくれ」といった覚悟を決めていることで、感情にふりまわされない自分を手に入れ、結果、それがとても楽に感じるのだと思います。
「嫌われてもいいや」という自由
私たちは、嫌われるのがイヤです。
人には、迷惑をかけたくないし、嫌いと言われるのも怖いし、周りの人とは、できるだけ平和な関係でいたいものです。ですから、大人はみんな、嫌われないように、ご迷惑にならないようにして、生きています。
ここで言う「嫌われてもいいや」というのは、嫌われ者になろうとすることではく、嫌われない努力からの解放で、私たちをずいぶんと自由にして、人生の流れに乗ったり、委ねる生き方をさせてくれるんです。
罪悪感を受け入れると起こること
罪悪感は、みんなが持っていて、なかなか厄介なものです。
良い気分のものでもありませんから、私たちは、心の奥へ置いておくようなことをします。心の奥に「私が悪い」「私はゆるされない」が横たわっているのです。そして、現実としては、この「ゆるされない」部分を償う「補償行為」というものに忙しくなってしまいます。
この罪悪感をちゃんと見つけて、受け入れてあげたら。「自分が悪いって思ってるなぁ」「そりゃ、思うでしょ!」って開き直れた時、悪い自分を罰したり、責めたりが止まるんです。それが止まる時、補償行為もしなくてよくなるんです。
本音に素直になれる
開き直ることの、一番のメリットは、これだと私は思っています。
好きなんだからしょうがない
イヤなんだからしょうがない
「しょうがない」というのは、本音というものの前では、何もできないということで、そのまま受け入れるしかなく、それが、本音に素直になるということです。
でも、誰か相手がいる時、その気持ちをそのまま伝えるのか、辞めておくのか、ちょっと保留・・などの選択ができます。本音だから、全部伝えなくてはいけないわけではありませんが、伝えても、伝えなくても、本当の気持ちは、いつだって変わることはないとしたら、開き直って、お伝えしてみることができるのはないかと思います。
開き直れる人と開き直れない人のちがい
今回の、良い意味での開き直りが、できる人とできない人がいるとしたら、そのちがいはなんでしょう。
「開き直る」ところまで来ると、これまでのやり方を手放すことになったり、何もせず、流れに身を委ねることになったりするお話はしました。
すると、どうしても自分でやりたい、自分のやり方で、何とかしたいと思っていると、引き続き同じようなやり方で、がんばるしかなくなってしまいます。
また、自分がひとりで、何とかしないといけないと強く思う時も、同様です。
人に頼ったり、任せたりできなくて、ひとりで背負い、抱え込んでしまうと、孤独で、タスクだらけのハードワークになってしまいます。とてもそこから手を引くことは、できないでしょう。
「もういいや」という開き直りも、こうして見ていくと、なかなか奥深いものでしたね。
いつも使える手ではないかもしれませんし、「開き直ろう」と思っても、すぐできるものではないかもしれませんが、限界が来て、しんどい時には、「もういいかー」って、ちょっと声に出して言ってみるのもいいと思います。ちがう風が、心に入り込んでくるのがわかると思いますよ。
ひとまず、「開き直る」心理のお話しはここまでです。
最後まで、お読みいただきありがとうございました。
お役に立てればうれしいです。
池尾千里
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