ある方が、私にしてくださったお話で、
忘れられないお話があります。
とても悲しいご経験をされた方でした。
「家事をしている、その間は、
悲しいことも、苦しいことも、忘れていられるの。」
深い悲しみの中にいても、
食事を作ったり、掃除をしたり、洗濯をしたり・・
その間は、頭を空っぽにできる。
悲しみや苦しみに、縛られて堅くなった心が
日常のための、日常の所作によって、
その間だけ、知らないうちに、解かれ、
その間だけ、休まっている。
怪我をすると、血が出て、痛みがあり、傷にもなります。
でも、やがて、血が止まり、痛みも和らいで、傷も治ってきます。
小さな怪我なら、あまり時間がかからなくても治るかもしれませんし、
大きな怪我だと、時間がかかるかもしれません。
それでも、傷は治ろうとします。
心にも、同じことが起こるようです。
傷が治ろうとするのは、どうしてなのでしょう。
思考が命令を出さなくても、
知らないうちに、身体の傷も、心の傷も治ろうするのは、
いったいどうしてなのでしょう。
「そうやって、生かされているのね。」
その方が、ぽつりとおっしゃいました。
人の中に組み込まれている、
生きるためのしくみ。
そのしくみに、そっと後押しされて、
もう一度生きる選択をされているのを感じました。
このお話は、何年も前に伺ったものです。
でも、こうして文にしてみているうちに、
まるで、昨日のことのように思い出されてきました。
今、その生きるしくみを、思い出すのに
ちょうどいい時なのかもしれません。
皆さんにも、私にも、標準装備されていることも。
池尾千里
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