ものさし | 心理カウンセラー池尾千里　公式サイト

息子をベビーカーに乗せて

ホームで電車を待っていると

ニコニコと、

息子を覗き込む女性がいました。

何歳ですか？と聞かれ、

「２歳です」と答えました。

お仕事帰りのようです。

きちんとしたメイク。

きちんとした服。

きちんとしたバッグと靴。

伸びた背筋にも

隙のない感じがします。

「うちにも、２歳のこどもがいるんですよ〜」

と、彼女が教えてくれました。

私は、急に居心地が

悪くなりました。

同じ歳のこどもがいたら、

共通の話がいくらでも

出来るはずですが、

私は、一刻も早く、

彼女から離れるか、

彼女が私から

離れるといいなと思いました。

私は、この２歳児を前に

毎日いっぱいいっぱいでした。

こどものこと、家のこと、

それだけをぐるぐるやって、

疲れ果てていました。

たまに、出かけて

友だちに会ったり、

ショッピングするのが

気晴らしでした。

目の前にいる働く女性が

私から遠く離れた

立派な人に見えました。

眩しくて、

気後れするほどでした。

そして、自分のことが

とてもとてもダメに思えました。

＊＊＊

上の娘を産むタイミングで、

私は、仕事を辞めていたので、

その時の私は、

専業主婦歴５年になっていました。

にもかかわらず、

私は、外で働かない私を

とてもダメだと、心の何処で

思っていたようでした。

外で働くことが

良きことだと、

強く思っていたようです。

私と同じ小さなこどもを持つ

この働く女性が、本来、

私があるべき姿なのだと。

この時の私は、

仕事をしていた頃の

「ものさし」で、

自分を測っていたようです。

同じ「ものさし」では、

測れないものを

測ろうとしていました。

こどもを産んで、

子育てにあたふたしていた

そんな時期が過ぎると、

私は、自分のことを

どういう位置付けにすればいいか

わからなくなっていきました。

社会的な位置というと

わかりやすいかもしれません。

働いていた時代が長かったため、

仕事を持たない状態が、

私の中で、無所属な感じというか、

掴みどころがなかったのです。

無力で、

引っ込んでいる感じがしていました。

家事や子育てをすることと

外で仕事をしていることは

役割を全うするということでは、

なんら変わりのないものです。

しかも、比べるものでもありません。

それを、同じ「ものさし」で

できているとか、

できていないとか、

私が勝手に、あれこれと

判断をしていたようでした。

保育園にこどもを預けて、

働くワーキングマザー。

専業主婦で子育てするママ。

どっちだっていいじゃん。

ママが選べば！！

そこに行き着いて、

やっと、私はすっきりしました。

私は、ただこどもの成長を

全部、自分の目で見たい！

そう思っただけでした。

だから、四六時中、

こどもと一緒の道を選んだったんでした。

それに、お仕事をされているママさんは、

保育園だったり、ばーばだったりに

ちゃんとサポートしてもらっているのです。

どっちがどうとか、

そんなのはないし、

私が、いつかどこかで使っていた

「ものさし」なんて、

もうあてはまるはずもなくて、

ただ、私の好きな道を選んでいけばよい話でした。

自分を、判断している時、

判断に使った「ものさし」自体が、

間違っている場合もあるかもしれません。

あなたが、心を込めて、

一生懸命やっていることを、

測ったり、

比べたり、

しないでください。

それは、ただただ、
素敵で、尊いことなのですから。

お役に立てればうれしいです。

池尾千里

柿が色づいてきました。が、うちの柿ではありません。（爆）

参加イベント＊＊＊

【名古屋カウンセラーズフェスタ】
日時：１１月２日（日）10:00～17:00

場所：名駅・ウインクあいち

料金：￥3,240－（税込）（出入り自由のフリーパスです）
名古屋地区のカウンセラー８名が勢揃いします！
メインテーマ：「ありのままの自分になる」
このテーマでお贈りする８名の講演を
是非、聞きにいらしてくださいね☆
＜講演者＞（五十音順）
浅野寿和、池尾千里、池尾昌紀、大下達也
 小倉健太郎、高見綾、服部希美、安田未稀